【平昌五輪】 旧正月と重なり外国人悲鳴「列車の切符がない」 [02/16]

12日午後、ソウル駅の切符売り場では、スイスからやって来たハンス・メンゴティさん(48)が平昌発ソウル行きの17日の高速鉄道KTX)の自由席券を購入しようとしていた。メンゴティさんはすでに14日のスピードスケート、15日のフィギュアスケートの入場券を購入していた。試合を観戦後、平昌を観光してソウルに戻るつもりだった。ところが列車の切符が買えないのだ。

メンゴティさんは何時間も待った末に、結局スケジュールを変更して14日午前にソウルに帰ってくることにした。帰国便の日にちが決まっているため、平昌滞在を延期することはできなかったのだ。メンゴティさんは「韓国が連休になるとは知らなかった。15日の試合観戦は諦め、予約していた宿もキャンセルしなければならない」と話した。

平昌五輪の開催期間と重なった旧正月の連休が、五輪興行の思わぬ伏兵として現れた。五輪を観戦するために来韓した外国人たちが、帰省ラッシュUターンラッシュと重なってKTXの切符を購入することができず、試合を観戦できないという事態が発生しているのだ。

旧正月連休、外国人たち「列車の切符が買えない」

10日に韓国に入国したノルウェー人のロシュさん(34)も「インターネットでは平昌行きのKTXは売り切れているので、4時間前にソウル駅に来て切符を買おうとしているところだ」として「今出る列車の切符も無いといっているので、途方に暮れている」と話した。

スロベニアから来たペーター・ラポルニクさん(60)は「旧正月だということは初めて知った。もっと長く滞在しようと思っていたのに、ソウルに戻る切符が買えず、予定を早めて開会式だけ見て帰国することにした」と話した。

外国人専用の鉄道パス「平昌コレールパス」を持っていても事情は同じだ。パスがあれば五輪期間に平昌・江陵を含む韓国鉄道公社(コレール)の全路線が乗り放題となる。しかし、旧正月連休の2月14-18日にソウルエリアと平昌・江陵を結ぶKTX京江線を利用する場合は、1月25日に別途予約をする必要があったのだ。

コレールは1月16-17日に旧正月連休の前売り切符の販売を開始した。このとき、ほとんどの座席が売り切れてしまった。後から来る外国人向けの切符はほとんど残っていなかったわけだ。

コレールの関係者は「パスを持っている人のために、25日まで座席の10%を売らずに確保しておき、電子メールで4回お知らせを送った」と説明した。しかし「案内メールは届いていない」という外国人が多かった。そして、残っていた10%の座席は25日以降に一般客に販売され、あっという間に売り切れた。

現在は途中駅の清涼里駅・上鳳駅からの切符や早朝発など不便な時間帯の座席が一部残っているだけだ。16日に平昌に向かう予定だというフランス人のセルリンさん(36)は「7日間のパスを約20万ウォン(約2万円)で購入したが、役に立たない。パスを持っている人に優先的に自由席券を割り当てるとか、専用窓口を設置するなどの対応を取るべきではないか」と不満をあらわにした。

■宿泊施設の予約も低調、関係者ら「外国人が来なかったらどうなる…?」

「平昌特需」を期待していた平昌など江原エリアの宿泊業関係者も気をもんでいる。先ごろ江原道が発表した「五輪期間の宿泊施設契約状況」(1月26日現在)によると、平昌・江陵・旌善などの宿泊施設の契約率は53.4%(4万3691室のうち1万7975室)にとどまった。とりわけ五輪が開催される平昌は、客室の4割が空室状態であることが分かった。

平昌周辺にある一部の高級ホテルやリゾート施設は選手団や記者団が宿泊するため満室となっているが、ほかの宿泊施設は依然として予約が入るのを待っている状態だ。平昌エリアでペンションを営むイさん(43)は「五輪の観戦チケットが数十万ウォン(数万円)と高いため、韓国人の予約も思ったより低調だ。こんな状況で外国人観光客までキャンセルしたり当日来なかったりしたらどうなるのか心配だ」とこぼした。


2018/02/16 05:04/朝鮮日報日本語版
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